高橋司 中国茶事
先日 角館のイベントでご一緒させていただいた高橋司さんは ほんわりとした空気を醸すお方。
中国茶に魅せられて20年。 中国茶の魅力を秋田の人々にも知ってもらいたいと 大仙のカフェを中心に中国茶のイベントを開催されています。
私が小さなころ 祖父の友人の台湾の男性が年に一度我が家に訪れ、 両手いっぱいの中国茶や中国のお菓子をお土産に持ってきてくれていた思い出があります。
そのころはウーロン茶が日本で流行り始めたばかりの頃で、 まだ子供だった私は ウーロン茶といえば苦くてくさくておいしくない、という感想しか持ち合わせていませんでした。 だから、その男性がお土産だと差しだしたウーロン茶を 「飲みたくない」 と拒絶したのです。
「中国のお茶は、おいしいよ」 祖母はそんな私に、 白い湯気が上がる薄い飲み口の湯飲みを差し出し 私に飲むように促しました。 それはきれいな琥珀色。 いつも見る茶色のウーロン茶とは全く違うもの。 香りもまるでお花の香りのようで、 私はそれがウーロン茶だということを忘れて、そっと口に含んだのでした。
あの時の驚きは、どんなに美味しいものを食べた時よりも鮮明に思い出されます。
「 すごい。すごいおいしい。お茶なのに!ただのお茶なのに!!」
その日から、私は中国茶の虜になりました。 毎日祖母におねだりしておいしい中国茶を飲み、 「中国のお茶は、おいしいよ」 と友人に自慢したのをよく覚えています。
最近では身近になってきた中国茶ですが 本物に出会えるチャンスはまだ秋田では少ないのではないでしょうか?
こだま会館のしっとりとした空気の中で楽しむ中国茶。
ぜひお楽しみにしていらしてください。